発売中の『sweet』9月号(宝島社)でも報告していますが、あろうことか神聖なる大学の教室でVOWについて講義をしてしまいました。黒板の前のスクリーンに「なんとまあ 俺様ときたら おちんこでるらしいんだぜ」!
いきなりの下半身露出です。
関東学院大学人間共生学部、楠勝範教授の「言語・身体・メディア・コミュニケーション」という人気講義のゲストで、写真で見えている学生はふたりですが、教室には90名ほどの受講生がつめかけていました。
講義の冒頭「皆さんの中に、VOWについて知っているかたはどれくらいいますか。①大いに知っている、②どちらかといえば知っているというかたは、手を上げてなくてもよいので、そんな顔をしてみてください」と言ったところ、3名ほどの学生が笑顔を向けてくれました。
「少なーっ」とも思いましたが、よく考えてみると90名のうちの3名ということは2%は超えており、これは政党要件を満たしたといえるのかもしれません。
「VOWって何?」「VOWの歴史」などを語るこの講義の正式タイトルは『VOW 「バウッ」とは何か 人は必ずバウッる。だからこそ、どう生きるべきか』……というのはウソですが、内容としては近いものがあったような気がしないでもありません。
つまり、どんなに学ぼうが考えようが成長しようが、人間は必ずおマヌケなことをしてしまう。だからこそ、そのおマヌケをやらかしてしまったとき、またよそさまがやらかしたおマヌケを発見したとき、どう対処すべきか。
まあ、VOWは基本として「べき」的な姿勢とは無縁なので、どう対処したほうがより楽しく日々を過ごせるか、ってな感じですね。
♪泣くの歩くの死んじゃうの〜 あなたならどうする〜
VOWネタを見たとき、二代目総本部長の頭の中には、いしだあゆみさんのこの問いかけが木霊のように浮かびます。
学生の皆さんはどう対処するのか。講義の最初にVOWネタを配り、90分の講義の間に総本部長の代わりにコメントをつけてもらいました。全体におとなしい印象だったので少々不安もありましたが、皆さんしっかりコメント制作に励んでくれ、ほっと女子学生の胸をなでおろしたオレです(←逮捕)。
「街角VOW」のコーナーで、その中から優秀コメントのいくつかをご紹介します。あっ、ちなみに写真の右端でmacを操っているのは宝島社VOW担当のヤブちゃん、写真を撮ってくれたのは楠先生です。
テクマクマヤコン〜危うくミラーマンに変身するところだった夜
『投稿選考補佐のブルース』でミヤタに「総本部長がサボっているため」ネタのアップが遅れていると書かれてしまいましたが、サボっていたわけではありません。
それは2月のある日のことです。明治通りを歩いていたところ、ショーウインドウに藤子不二雄グッズを飾っている店を発見。ドラえもんは、まあよくあるとして、パーマンの顔が大きく描かれたお皿は珍しいのでは?
10代20代とおぼしきお客さんでいっぱい、しかも外国人観光客も多そうな店内におっかなびっくり……というか、びっくりはしていないので、「オヤジは店内に入ってきちゃダメ、絶対!」とか言われるんじゃないかと、恐る恐る入ったところ、うひゃー、あるわあるわ大量のパーマングッズ。
いちばん好きなオバケのQ太郎グッズは、なぜかひとつもありませんでしたが、なんとも見た目の可愛らしいパーマン絵柄のコンパクトを購入したワタクシ。まわりのお客さんやレジの女の子は内心「まあ嫌ね、あのオヤジ、コンパクトなんか買って」と思っていたでしょう。
そして、「いい買い物をした」と意気揚々と飲み屋にくり出したのが悲劇の始まりだったのかもしれません。
まず1軒目で飲み、そこが閉店となったので大将と従業員の女性と3人で2軒目はジンギスカン、さらに3軒目は夜中もやっているイタリアン(まだ食うのか!)、最後はお決まりのカウンターバー。
いつの間にか大将&従業員の女性は帰り、カウンターの向こうには若いママ。右手に座っている客はメガネ男子で、聞くと29歳とのこと。そこにかなり酔いどれ気味の40がらみの男が入ってきました。そしてどれくらい時間が経ったのでしょうか。たぶんそんなに経っていないと思うのですが、突然その少々酔いどれた男が、オレの頭越しにメガネ男子を怒鳴りつけました。
何があったのか……。人の心の琴線とは微妙なものというか、自分が鈍感なだけかもしれませんが、さらにその男、メガネ男子に向かって「表に出ろ!」とまで。
しかし、メガネ男子は表に出る気なし。こんなとき、間にはさまれたオヤジとしては、どういう行動を取るのが正解なのでしょう。正解はわかりませんが、こっちも酔っぱらい度では負けていません。
「あなたさー、何をそんなに怒っているの」と、オレが表に出てしまったのです! あ、もちろん喧嘩なんかするつもりはありませんよ。表に出て「あなた、彼よりずっと年上でしょ。若者がなんて言ったか知らないけど、大目に見てあげなさいよ」と。
路地裏で説得すること数分。一度は納得したかのように見えたその人物なのですが、「いや、やっぱりあの男を殴る!」と店に戻ろうと。困ったものですねえ。困ったついでにこちらも「だったらまずオレを殴ってからにしろよ」と。
まさか殴ってくるとは思っていなかったのですが、いきなりきたのが左アッパー。体重的には山中−ネリよりずっと差があったのでほとんど効きませんでしたが、メガネと帽子が吹っ飛びました。
さすがにメガネと帽子を吹っ飛ばされて黙っていられるほど大人物ではありません。相手の頭を右手で抱え込み首投げで押さえ込んだ……のはよかったのですが、投げたときにまわりにあったブロックかなんかに頭をこすったのか、騒ぎを聞きつけて出てきた人物が言うには「おい、頭から血がピューッと出てるよ! あっ、お前、フルヤじゃないか!」。
実はその人物、その飲屋街で役員的なことをやっている高校時代の同級生。押さえ込んだ相手もおとなしくなったので、ママが持ってきてくれたおしぼりで頭を拭くと、これが真っ赤っ赤ですよ。
いやー、話が長い。
同級生と一緒に出て来た飲み屋の店員らしき若者が、その血を見たからなのか「警察呼びますか?」。それに答えたワタクシのひと言がハードボイルドでした。
「いや、飲み屋のもめごとは飲み屋で解決しようぜ」
相手も酔いが醒めたのか、オレの同級生に送られて帰る道すがら「喧嘩を止めてくれたのに悪いことをした」と反省していたようだし、頭の傷も存外浅く、戻ってきた同級生とそこからまた朝の8時過ぎまで飲み続け、ふと思ったのは、あのとき警察を呼んでいたらどうなったのだろうということです。
警察官「酔って喧嘩ですか〜。どっちもどっちですね〜。とりあえず、持ち物を見せてくれます? ……あっ、ああ〜、持ってますね〜」
そこで出てくるのがパーマンのコンパクト。これはどうなんでしょう。ひょっとして「ミラーマン認定」なのでは!?
ああ、警察を呼ばなくてよかった!
そして、その夜から喉の激しい痛みと若干の発熱で3日間ほど寝込み、VOWネタのアップができなかった……と、そんな長い長い言い訳でした。
まさか会って話をするなんて!奇跡の独身美女、岡田奈々さんにロングインタビュー!!!!
久々の顔出し。生きていますよ〜。
今回はとても重要なお知らせです。VOW二代目総本部長のワタクシが、自分でも驚いたことに、高校時代から好きだった女性(しかも同学年!)に初めて会ってインタビューしてしまったのです。
岡田奈々さん。
最近は同姓同名のアイドルもいて少々まぎらわしいのですが、もちろん初代の岡田奈々さんで、だいたいオレはタカノハナだって先代の貴ノ花が大好きで、高見山との取り組みなんかもう仕切りの間に心臓が破裂するんじゃないかと思うぐらいドキドキしながら見ていましたからね。
タイガーマスクだって、まあ二代目もいいけど……って、そんな話をするための久々の顔出しではありません。
『音楽スタア ’70−’80』(東邦出版)という、70年代80年代にデビューして今も活躍している“スタア”たちを大々的に取り上げる雑誌というかムックというか、そんな刊行物の創刊号で14ページにもわたるロングインタビューをおこなったのです。
記事のタイトルは「いつかまた歌ってほしいという願いを込めて、永遠のスタア岡田奈々さんにロングインタビュー」。
できれば吉田拓郎さんに歌っていただきたいようなタイトルですが(←「準ちゃんが吉田拓郎に与えた偉大なる影響」か)、岡田奈々さんってテレビのバラエティー番組や雑誌のインタビューにほとんど登場しないので、けっこう謎に包まれたキャラクター。会うまでは話がどんなふうに展開するのかまったく読めませんでした。
でも、饒舌ではないのですがとても自然な感じで、今も高校生の頃のままのスレンダーな容姿についても、思いがけない四字熟語で語ってくれました。ふふふふふ、そう書くと「四字熟語って、不惜身命?」とか思うでしょう?(←それは二代目貴乃花)
あとね、ドラマ『俺たちの旅』の中村雅俊さんの名台詞にかけて「恋はエッチだよね〜(笑)」ともおっしゃいましたよ。で、ワイン好きとの情報を得ていたのでお酒の話も聞いたところ、マネージャーの女性曰く「最近は日本酒が好きで、実際には一合飲むくらいなんですけど、それで『ああ〜、飲んだ〜!』って天下を取った気になっちゃうんです(笑)」。
その先にオレの大失敗がありました。話の流れで、岡田奈々さんがわざわざ「お酒はお好きですか?」と聞いてくれたんです! その問いに答えて、オレはなんと言ったと思います?
「いや〜、岡田奈々さんと違ってボクは飲んだら泥酔するまで飲んで、朝までいっちゃうんですよね〜」
……お酒の話はそこで終わってしまいました。
それはともかく、2014年の主演映画『恋』のとんでもなくいい感じの三角巾姿や、もちろん10代、20代の頃の写真も満載のロングインタビューをぜひ読んでみてちょうだい!
「VOW、非常におもしろいすねボカァ見てて」by野坂昭如さん。ありがとうございました!
なんの因果か、ただの悲しい偶然か、P171の見出しに「ニ、ニ、ニーチェかサルトルか。みんな悩んで大きくなった」と野坂昭如さんが歌ったCMソングの歌詞を掲げた『VOW31周年デラックス』が発売された12月9日(水)、その野坂さんが亡くなってしまいました。
写真は、VOW巨大特集を敢行した『宝島』1992年12月24日号に登場していただいたときの誌面(聞き手はカーツ佐藤氏)。なんと野坂さん、VOWの大ファンで、単行本はすべて持っている上に投稿をされたこともあるとか!
「VOWおもしろいもんね。つまりあぁいうね、ムチャクチャっていうか、非常におもしろいすねボカァ見てて」
「佐渡島行ってね、“サドのマゾ”っていうそれをね、投稿したことあるの。ずいぶん前だったなぁ」
サドのマゾ? そんなの載ってたっけ? まさかボツに……?
このあと野坂昭如さん、『VOW MEGA-MIX!!?2』にも一日総本部長としてご登場。こちらはただ今、バックナンバー確認中。なにしろ年々記憶が曖昧になっていて、画像の『宝島』VOW には蓮舫さんからも「VOWは、2年位前にマネージャーさんから教えてもらって以来、いつも読んで笑っています」というありがたいお言葉をいただいているのですが、あららー、すっかり忘れていましたねー。
覚えていれば、去年東京駅で会ったとき声をかけたのに!(←かけるな〜)
VOWは『sweet』の連載だけでなく、『smart』2月号にも乱入。そちらでは、11月に亡くなった水木しげるさんの思い出を書いたばかり。水木さんにもお世話になったんですよねー。
野坂さん、水木さん、ありがとうございました。
21世紀雑誌界最大の奇跡!? あるいは暴挙!? あの『sweet』にVOWが!!
2015年、41年間の歴史を閉じた雑誌『宝島』。とうとう日本のサブカル、いや雑誌文化の終焉か。VOWはいったいどうなるのか。『宝島』の休刊とともに、雑誌界から爆笑やオマヌケ、噴飯脱力図画工作の灯は消えてしまうのか(←なぜ図画工作)。
多くの心ある男どアホウたち、女どアホウたち、そしてバイセクシャルどアホウたちが嘆き悲しみ、生きる気力を失くしたといっても過言だろう。過言なのか!!
しかし、世の中どっこい捨てたものではありません。VOW担当宝島社ヤブちゃんが、あの超人気女性ファッション誌『sweet』編集長におっかなびっくり打診したところ、なんと「じゃあ、VOWの連載はうちが引き受けましょう!」との返事。
なんという侠気(おとこぎ)。いや、女性ですけどね。つまり、なんという女丈夫。これ、褒め言葉になっているのでしょうか。なっていなかったらごめんなさい。
真面目な話、雑誌文化はまだまだ全然終わっていなかった。
しかも、編集長だけでなく、担当になってくれたMさんが、これまたなかなかの女傑。彼女から届いたメール。
「VOWは私が小学生のとき、祖父が持っていたのを読んで感動したのが始まりなので、こんな日が来るとは! と再び感動しています」
オレは宮武外骨か!?(←そんないいもんであるわけがないし) あ、初代総本部長・渡辺祐(タスク)氏の頃ですね、きっと。あれはたしか前回の東京五輪の頃だった。
で、ついに発売されたのが『sweet』12月号。イスタンブールロケまである緊張感ありあり、ゴージャス感ありありの誌面で、いったいVOWがどれだけ浮くのか。
怖いものが見たい人は、雑誌を買って確認を!
ちなみに、表紙に「まわし美人」とあって「おっ、スー女?」と思ったら「着まわし美人」でした。オレは、スペースチェックドレス¥28,000ってのが気に入ったなー(←熟読してます)。
『宝島』休刊、スマホ標準な時代の雑誌を考える!
今の世の中、電車の中の過ごし方で圧倒的に目だつのは、やはりスマホですね。車内の80%くらいはこれです。
ただ、最近意外に多いように思うのが、文庫を読んでいる人。まあ、10%にも満たないと思いますが、スマホを持っていないオレとしては、座席の両脇の人が文庫を読んでいたりすると、ついうれしくなって自分も文庫を取り出し、スマホ派に対しこれみよがしに文庫派健在をアピールをすることにやぶさかではありません(←どんな文章なのか)。
まあ、スマホ派の人々はそんなこた気にしていないでしょうけど、もしも神様がオレにほんの少しの勇気を与えてくれるなら「やっぱり電車内は文庫ですよねー」と両脇の人に微笑みかけてもみたいもの。一種の変質者ですね。
そして、ここ数年、圧倒的に少ないのは雑誌派です。
たとえば『FOCUS』全盛当時。発売日には、車内で複数の人が鉄道轢死写真をむさぼり見ているなんてこともしょっちゅうでした。2000年代に入っても、サッカー専門誌やフリーペーパーの『R25』なんかを読んでいる人をよく見かけました。
今は『週刊文春』や『薔薇族』でさえ、読んでる人をあまり見かけません。
新聞を広げている人も少ないですし、これは大きさに関係があったりもするんでしょうか。なんか、すべてがスマホ基準になっていたりして。もし今、電車の中で『宝島』の前身であるどでかい『WonderLand』創刊号なんか広げている人がいたら、子どもたちなんかきっと珍しがって寄ってくるだろうからなー。
であれば、いっそスマホサイズの雑誌を出すというのはいかがでしょう。
しかし一方で、すべてがスマホ標準になってしまった場合、従来の雑誌や新聞のようにひとつのページや紙面にごちゃごちゃと様々な記事が載っている、そのすべてをぼんやり意識しながら読みたい記事を読むという、人類の生存に必要な能力が失われてしまうのではと思ったりもします。
面白いことというのは、けっこう視界の片隅で見つかったりするもんですよね。つまり、スマホの世界には意外な出会いがない。まあ、持っていないオレが言うのもナニですが、『宝島』でもいろいろな出会いがあったものです。
つい先日も、1978年12月号の輸入レコード&ショップス特集を泣きながら読んでいて、初めて知った70年代のシンガーソングライター、タウンズ・ヴァン・ザントとロッド・テイラーのアルバムを購入してしまいました。
日本政府は、道徳や愛国心を教えるより、昔ながらの雑誌・新聞を読む教科を作ったらどうでしょうかね。
“大人の隠れ家”としてこのサイトがスタートしてから初の単行本、 『街のヘンなもの! VOW30周年スペシャル』発売中!!
「街のヘンなモノ!VOW」が人知れずスタートしたのが2013年の夏。なにしろコンセプトが“大人の隠れ家”(ウソ)。その甲斐あって、宝島社の某局長は2か月ほど前に会ったとき「へー、VOWのウェブサイトってあるんだ? どこに?」と。驚きましたねー。宝島社担当のヤブちゃんも、そこまで隠し通したとはたいしたもの。ふつう金の流れとかで上司にはバレるだろっての。……あっ、ひょっとして金が流れていないとか?
しかし、さすがは面白いものに敏感な読者の皆さま。ろくに宣伝もせず看板も出さず、ひっそり営んでいたこの「街のヘンなモノ!VOW」に、予想外に多数の投稿をしていただきました。インターネットの力ってすごいよな(←そっちかよ)。いやいや、『月刊宝島』の連載など紙媒体VOWのお客さん(投稿者)が年々常連さん化する一方、大人の隠れ家なこちらは、むしろ逆に初めてのかたが多いという不思議。
これは、ただ紙媒体が不振なだけということなのかもしれませんが、そんな辛気臭い話をしても仕方ないので、ここで本題です。ウェブサイト「街のヘンなモノ!VOW」がはじまって約1年半。みなさんの投稿から選りすぐりのネタを掲載した『VOW30周年スペシャル』(宝島社)が発売されたのです。つまり、不振な紙媒体にあなたの投稿が載っているかもしれないのです!!
不振って言うな!!
これがけっこう出足好調。ゲストでご登場いただいた岡本夏生さんも、TOKYO MX『5時に夢中!』の冒頭、ゴージャスなグッチのコート姿で大々的に紹介してくれました。あとは、巻頭で「国語、算数、VOW、社会」という素晴らしい教育改革を訴えてくれた森山直太朗さんが、2015年のツアー“西へ”で「VOW(独唱)」を歌ってくれるのを待つばかり。
皆さん、売り切れる前に早く書店かネットで購入を! 版元は売り切れる前に早く増刷を!
ジャズ喫茶のオモライくん
近くの住宅街にひっそりとジャズ喫茶があって、ときどきコーヒーやビールを飲みながら置いてある『週刊文春』などをむさぼり読んでいるのですが、先日初めて帰りがけにマスターに声をかけられました。
「ジャズはお好きですか」
ここで「嫌いです」と答えたらたいした人物ということになりますが、それほどでもないオレなので「ええ、数年前から聞き始めたばかりですが、中古レコード屋の500円コーナーとかでアナログ盤を買って聞いています」と返事。
するとマスター「ちょっと待っていてください」とレコード棚のほうへ行って戻ると、手には同じLPが2枚。
「トランペットは聞きますか」
「ええ、でも持っているのはマイルス・デイヴィスとチェット・ベイカーくらいで」
「じゃあよかった。これ、ブルー・ミッチェルって人のレコードで、私のすごく好きな曲が入っているんですよ。2枚あるんで、1枚差し上げます。あっ、こっちの盤はいい音のほうなんで、お店に置いといて(笑)」
びっくりしました。こんな店が、2013年の今もあるんですね。で、このアルバムが素晴らしかった。非常にマイルドな口当たりでありながらコクがあるというか、つまり初心者には聞きやすく、でも味わい深い。トランペットだけでなく、ピアノもベースもいい音しています。
そして先日、仕事で北陸に行ったので、えびせんを買って持って行ったところ「かえってすみません、お土産なんかいただいちゃって。あの、お客さん、難しいジャズなんかも聞きます? エリック・ドルフィーとか」「あっ、いや、その、聞きますけど、こ、この前いただいたブルー・ミッチェル、とってもよかったですよ! 別のCDも買っちゃいました!」。
またまた何かくれそうな勢いなので、あわてて阻止。阻止する意味もよくわかりませんが、そんな、何枚ももらっちゃねえ。まあ「お客さん、真空管のアンプなんか聞きます? うちにマッキントッシュが2台あるんで、1台差し上げます」などと言われたら断れるかどうか、人間としての真価が問われることになりそうですが(←くれるかよ!)。
『バウ! 2013−2014』は大改革実施で発売!!
VOWシリーズ最新刊『バウ! 2013−2014』(宝島社)が9月14日(土)に発売されます。自分たちが制作しておいて「されます」という他人行儀な言いかたも妙なので、こういう場合「9月14日(土)に発売します」と書いたほうがよいのでしょう。
VOWシリーズ最新刊『バウ! 2013−2014』(宝島社)を9月14日(土)に発売します!
そこまで断言して、しなかったらどうしよう……という不安もありますが、もし発売しなかったらごめんなさい。世の中、何が起こるかわかりません。
インターネットなどですでに予約も受け付けているので、ご存じのかたも多いと思いますが、今回のカバーは、日活ロマンポルノをたぶんに意識したカラーリングになっています(←どこが)。
ネタはいつにも増して盛り沢山。年々減り気味だった特別企画コーナーを今回はすべてなくし、読者のみなさまからの投稿を一気に794発掲載です。もちろん、勘定はアバウト。公正取引委員会や消費者センターの人には、どうかご内密に。
さらに、レギュラー執筆陣の安斎肇さんがこの2013年で還暦を迎え、しりあがり寿さんや杉作J太郎さん、みうらじゅんさん(今回、出張のためお休み)も50代半ば、清水ミチコさんは年齢不詳、デザイナーのマーチン荻沢さんはもうすぐ100歳という高齢化社会に対応して、読者&総本部長コメントの文字も大きくするという、一大改革を実施しました。
どのくらい大きくなっているかは、読んでのお楽しみ。目を近づけすぎると大きすぎて見えない場合もあるので注意!!
あ、書店だけでなく『セブンイレブン』にも並ぶようなので、おでんと一緒に購入よろしく。
元“獣の目をしたルーキー”を追っかけて石巻に行きます
VOW20周年記念の単行本『VOW15』に、本人もデビュー20周年ってことでゲスト登場してくれた元“獣の目をしたルーキー”小山卓治の東北ツアーのお知らせです。
このような告知をするのは異例中のイレイなヨロレイヒ〜ですが(←意味不明)、小山卓治といえば、総本部長の友達の友達。その友達というのが、知る人ぞ知る汁男優……ではなくサックス奏者のsmileyです。
ヤツは、VOWが大震災のあとの東北に不謹慎なネタ探しに出かけた際、運転手&カメラマンをつとめてくれた人物でもあり、石巻の避難所を訪れる際「給水の故障で、今みんなで水を運んでいる」との連絡に「じゃあ、今行くと迷惑になるので、ゆっくり行こう」とのたまった男なのです。
むしろ、早く行って手伝わなきゃ!!
あれは『VOW23』の“がんバウろうニッポン、がんバウろうオレたち!”特集のことでした。
あのときの石巻は、町中の信号機も壊れ警察官が誘導していたし、地元の名士・石ノ森章太郎さんを記念するオブジェの人造人間キカイダーも流されて見つからないままだったなあ。
その石巻で、小山卓治&smileyがライブ。
前日には水沢でのライブもありますが、復興の兆しに水を差すようなことはないのでしょうか。
心配なので総本部長のワタクシも行くことにしました。
●小山卓治 ライブサーキット
New Days
8月31日(土) 20時開演〜
岩手奥州(水沢) DeeDee’s Cafe
前売:¥2,000 当日:¥2,500 (各ドリンク別)
9月1日(日) 17時開演〜
宮城石巻 N’s Square
前売:¥3,000 当日:¥3,500 (各ドリンク別)
問い合わせ:りぼんインフォメーション
問い合わせ先の電話番号などはあえて入れませんが、ネットで検索してみんなで来てください。「VOWで見た」と総本部長に声をかけてくれた人には、オレがドリンク代をおごります!
ただしこの総本部長、しらふのときはけっこう人見知りなので注意。両方のライブとも、サポートメンバーとして、やせっぽちな可愛いギタリストMercyくんが入ります。あっ、水沢のライブにsmileyが出るかどうかは不明。